先日開催された「好きな絵本を語ろう トークセッション&読書会」は、想像を越えるミラクルが続出のワークショップになりました。暑い中、はるばる神戸や京都、愛媛からいらしてくれた方もいて、それだけでもう感謝感激です。
参加者の方々は仕事も年齢も実にさまざま。みなさんに共通するのは、「絵本が好き!」という真っ直ぐな気持ちです。お子さんが小さくても大きくても、いてもいなくても関係ありません。ぼくら夫婦が夏のおススメ絵本を紹介し、その後にみなさんが持ち寄ってくれた絵本を紹介していただきました。先生や保母さんもいらして、人前で話をすることに慣れている方もいれば、それほど得意でない方もいます。そんなみなさんの絵本にまつわる珠玉のエピソードを聞くうちに、心と頭が自然とやわらかくなって、誰もが同じように深くうなづき、感動で涙がじわりとこみ上げ、最後はにこやかに笑い合えるのです。心の奥底にしまい込んでいた気持ちを素直に語れるのは、絵本がもつ無垢なパワーのおかげだと思いました。(そして紹介していただいた絵本は、もれなくすべて読みたくなってしまうのです!)
毎回ミラクルが起こるのも絵本ワークショップならでは。参考資料としてぼくが大切にしていた『絵本の100年展』の図録、1999年に新宿で開催されたこちらの展覧会に実際に行かれた方がいて、その会場で感銘を受けたというロバート・マックロスキー作『すばらしいとき』(この夏のイチ押し絵本)の原画の素晴らしさをリアルに語ってくれたのです(涙)! さらに『絵で読む 広島の原爆』をどうしても紹介しておきたいと選んだら、その場に広島出身の方がいたり。母の地元豊田市が実家の方と話したら、ぼくが幼少期に通った今はなきおもちゃ屋さん「マルモリ」をご存じだったり、数年前にぼくの額装イラストを2点も購入してくださった方がいたり、1回目の絵本WS参加後に希望の仕事が運よく決まったり、WS後のお礼メールでおめでたいご報告をいただいたり…。な、なんでしょうか、このポジティブな感情を揺さぶる多幸感の連鎖は!
参加者のみなさんには、ぼくが一枚一枚描いた鮎の水墨画をプレゼントしました。にじみとぼかしを生かし、気持ちよく泳ぐ鮎の姿に思いを込めます。さまざまな紙に試し描きをして選んだのは、手漉きの画仙紙。ひらがなの落款も石を削って作りました。アクセントのゴールドには清々しい青金を選んでいます。おだやかで涼しげな気持ちになっていただけたらうれしいです。
今は紹介してもらった絵本を図書館で借りてきて少しずつ読んでいる最中。みなさんの顔が目に浮かび、なんだかとてもいい気分です。これも絵本のもつ素朴なパワーなのでしょうね。住む場所も学校も教え子の年齢も勤続年数も異なる先生どうしが、楽しそうに絵本の話をして盛り上がる縁側の様子は、ぼく的にとても微笑ましかったなぁ。
次回は秋の開催を予定しています。さらにパワーアップしてお届けする予定ですので、どうぞお楽しみに!
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